研究課題/領域番号 |
21659023
|
研究種目 |
挑戦的萌芽研究
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
創薬化学
|
研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
周東 智 北海道大学, 大学院・薬学研究院, 教授 (70241346)
|
研究期間 (年度) |
2009 – 2010
|
研究課題ステータス |
完了 (2010年度)
|
配分額 *注記 |
3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
2010年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
2009年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
|
キーワード | オキシトシン / cADPR / 発達障害 / 細胞内情報伝達系 / プロドラッグ / Ca^<2+>動員 / セカンドメッセンジャー / 分子設計 |
研究概要 |
本研究は、Ca2+動員セカンドメッセンジャーであるサイクリックADP-リボースの合成抑制に起因するオキシトシン(OT)の脳内濃度の低下が精神的発達障害の発症に関与することを実験的に明らかにし、さらに自閉症等の発達障害治療薬開発の端緒を開くことを目的とする。具体的には生物学的にも化学的にも不安定なcADPRの安定等価体をリードとして、細胞膜透過性のプロドラッグの開発を目指した。 当初細胞膜透過性のプロドラック創出のためのリード化合物として、cADPRの炭素環安定アナログではcADPcRを用いる予定であったが、三次元構造等の詳細の検討の結果から、チオリボースアナログであるcADPtRがより適切なリードになるものと判断した。本年度は、昨年度ほぼ確立した合成法を基盤としてcADPtRの合成に成功した。 cADPtRの生物活性を評価した結果、ウニ卵、マウス神経細胞、ヒトT細胞の何れにおいても、cADPRと同等あるいはそれ以上のCa2+動員活性を有することは明らかとなった。さらに、cADPRが短時間に分解されるラット脳抽出液中において全く分解されないことから、cADPtRが極めて生物学的に安定であることも確認された。以上の結果は、cADPtRが細胞膜透過性のプロドラッグのリードとして好適であることを示す成果である。
|