研究課題/領域番号 |
21659041
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研究種目 |
挑戦的萌芽研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
医療系薬学
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
大戸 茂弘 九州大学, 大学院・薬学研究院, 教授 (00223884)
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研究期間 (年度) |
2009 – 2010
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研究課題ステータス |
完了 (2010年度)
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配分額 *注記 |
3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
2010年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
2009年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
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キーワード | 生体リズム / 人工体内時計 / 時間薬理 / がん / 創薬 |
研究概要 |
多くの固形がん組織は高い間質圧および新生血管の構造異常などにより低酸素状態に陥っている。そのため、がん組織では低酸素誘導因子HIF-1および低酸素応答配列HREを介して血管内皮増殖因子などの低酸素応答遺伝子の発現が上昇している。HIF-1のサブユニットであるHIF-1αは通常酸素環境下においては水酸化酵素により酸素濃度依存的に分解されるが、低酸素環境下においては安定に存在する。本研究では、マウス結腸がん細胞の増殖に及ぼす低酸素応答性shRNA発現プラスミドベクターの影響について検討した。すなわち、HREを組み込んだ低酸素応答性HRE-CMVプロモーターを有するshRNA発現ベクターを作成し、腫瘍モデルマウスを用いて細胞増殖に及ぼす影響を検討した。HRE-CMVプロモーターはCMVプロモーターの上流に4×HRE(5'-ACGTG-3'を4つ含む)を挿入し構築した。また、shRNA発現ベクターはプロモーターの下流にbcl-2遺伝子に対するshRNAを挿入し構築した。腫瘍モデルマウスはマウス結腸がん細胞colon-26を右足蹠に皮下移植し作製した。細胞増殖抑制効果はHRE-CMV-shRNA発現ベクターを腫瘍内投与し、経日的に腫瘍体積を算出した。HRE-CMVプロモーターはHIF-1αの安定存在下においてCMVプロモーターと比較して高いshRNAの発現を示した。また、腫瘍モデルマウスを用いた検討において、HRE-CMV-shRNA発現ベクターはCMV-shRNA発現ベクターと比較して有意な細胞増殖抑制効果を示した。これらの結果より、構築したHRE-CMVプロモーターは低酸素状態のがん組織においてshRNA発現を促進することで、より効率的に腫瘍細胞の増殖を抑制することが示唆された。
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