研究課題
挑戦的萌芽研究
細胞外シグナルは、受容体などの活性化を経て細胞内シグナルに変換され、最終的なターゲットへと伝達される。これまでに多くのシグナル伝達分子が同定され、シグナル伝達カスケードの存在が発見され、またそれらのシグナル伝達カスケードの基本要素ならびに反応機構の大枠は明らかとなってきた。しかしながら、こうした知見のほとんどが培養細胞を用いたシャーレの中のものにすぎず、個体レベルで実際にこのようなシグナル伝達のカスケードがシャーレの中と同様に働いているかどうかについては、未だ解明されていない。本研究ではこうした疑問に答えるために、二分した生物発光あるいは蛍光タンパク質を再構成させるプロテインスプライシング反応を利用して、動物個体レベルでの機能タンパク質の動態をリアルタイムにかつ空間的・時間的・量的な要素を加味して可視化することを目的とする。平成22年度は、グルココルチコイドレセプター(GR)とミネラルコルチコイドレセプター(MR)の細胞内動態を個体レベルで可視化するために、Intein(DnaE)のN末側(DnaE-N)に生物発光タンパク質(luciferase ; Luc)または蛍光タンパク質(green fluorescent protein ; GFP)のN末側半分と核移行シグナル(nuclear localization signal ; NLS)を結合させたプローブと、LucまたはGFPのC末側半分にDnaEのC末側(DnaE-C)とGRあるいはMRのcDNAを結合させたプローブの作製し、初代培養神経細胞に発現させ、BRETを観察した。今後、in vivoイメージングに向け、研究を続けていく予定である。
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