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ドナー特異的輸血による移植肝由来細胞のホスト内動態と免疫寛容機構の組織学的解析

研究課題

研究課題/領域番号 21659048
研究種目

挑戦的萌芽研究

配分区分補助金
研究分野 解剖学一般(含組織学・発生学)
研究機関獨協医科大学

研究代表者

上田 祐司  獨協医科大学, 医学部, 助教 (10364556)

研究期間 (年度) 2009 – 2010
研究課題ステータス 完了 (2010年度)
配分額 *注記
3,100千円 (直接経費: 3,100千円)
2010年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2009年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
キーワード移植・再生医療 / 解剖学 / 免疫学 / 樹状細胞 / ドナー特異的輸血 / 免疫抑制 / ラット / 肝臓 / 移植 / 免疫寛容 / 細胞遊走 / CD8陽性T細胞 / アロ抗体
研究概要

我々はこれまでにラット肝移植拒絶モデルの系に、ドナー特異的輸血(DST)を前処置として施すと移植片が生着することを見出した。本研究はこのDST効果の本態の解明である。昨年度に、DST前処置+肝移植群(寛容群)では肝移植群(拒絶群)とは異なり、樹状細胞を含む移植肝由来ドナー細胞(passenger leukocyte)のホストリンパ組織への遊走と拒絶反応の中心的役割を担うCD8+T細胞の活性化が全く抑制されていることを見出した。これはDST単独で誘導される細胞障害性のドナー特異的抗体が移植直後に遊走細胞を消失させるために、ホストリンパ組織内で免疫応答が起こらないためであると考えられた。
最終年度である本年はまず、両群の移植臓器内における免疫担当細胞の経時的な動態変化を解析した。ホスト細胞の肝臓内浸潤は移植最初期(2d)までは寛容群が多いものの、中期(5d)では拒絶群がそれを上回り、拒絶期(10d)頃にはほぼ全域を占拠していた。CD8+T細胞は拒絶群では中期にかけて浸潤数が増大し、非常に強く活性化していた。一方寛容群ではCD8+T細胞の浸潤絶対数およびその活性型の割合ともに強く抑制されていた。中期~拒絶期ではエフェクター細胞がCD8T+細胞からマクロファージに移行するが、寛容群ではこれらにも一貫した抑制効果が示した。そこで他の免疫調節因子を検索したところ制御性T細胞(Treg)が、寛容群選択的に、この時期に同調してホストリンパ組織、肝門脈域において細胞数の増加し、活性化することが認められた。これらDST抗体の認識抗原はドナーMHC-1であり、したがってMHCの異なる系統で輸血を行うと同様にアロ抗体が誘導された。
以上よりDST効果の主要素はアロ抗体によるpassenger leukocyteの遊走とホスト内免疫応答の抑制であること、それ以外にTreg等の免疫調節因子が作用してドナー特異的に免疫寛容を維持していると考えられた。現在、研究成果を投稿準備中である。

報告書

(2件)
  • 2010 実績報告書
  • 2009 実績報告書
  • 研究成果

    (1件)

すべて 2010

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] What are effector cells in the liver transplant rejection?2010

    • 著者名/発表者名
      Hisashi Ueta
    • 学会等名
      18th International Symposium on Molecular Cell Biology of Macrophages 2010
    • 発表場所
      Kumamoto city
    • 年月日
      2010-05-21
    • 関連する報告書
      2010 実績報告書

URL: 

公開日: 2009-04-01   更新日: 2016-04-21  

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