研究課題/領域番号 |
21659134
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研究種目 |
挑戦的萌芽研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
医療社会学
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研究機関 | 北里大学 |
研究代表者 |
守川 耕平 北里大学, 医療衛生学部, 研究員 (50464805)
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研究分担者 |
塩見 佳也 九州大学, 法学研究院, 専門研究員 (10432832)
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研究期間 (年度) |
2009
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研究課題ステータス |
完了 (2009年度)
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配分額 *注記 |
1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2009年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | 健康食品 / 補完医学 / 事前リスク制御 / 医薬品相互作用 |
研究概要 |
いわゆる健康食品による健康被害が起こる要因は、健康食品は、患者ではなく健常者が摂取する前提で販売され一般食品に近い認識で消費されている事が挙げられる。健康食品特に疾病改善目的で販売消費され医薬品との相互作用が懸念される様態の健康食品への規制について、規制権限行使の根拠となる法規範が存在せず又自主規制基準も各利害団体によって乱立し統一されていない。現状では、政府は消費者の安全を十分に保護しているとはいえない。報告者は「補完食品」という治療を補完する健康食品の新カテゴリー創設と制度化のためのリスク制御プロセスを研究し、新カテゴリーの定義、審査申請要件、そして「補完食品」に関する規制を効率よく運用するための法体系の在り方について検討した。 その結果、「補完食品」という新しいカテゴリーの設定に関して、新医薬品許認可過程やレギュラトリーサイエンスを参照することによって、申請要件の明確化・市販後のリスク制御、行政上の規制の緻密化、更には、契約締結過程での事業者の説明義務と義務違反への取消等の事後救済の基準を研究し、一定の素案を作った。そこで、「補完食品」の「リスク評価」と「リスク管理」に関して特に重要なのは、リスクに対する科学的評価法と薬学的エビデンスに基づく管理をおこない、「危険」が生じているが従来の基準では規制に至らないとされる「許容リスク」に対し、EU法を参照し「事前配慮」原則による規制強化の研究である。健康食品について、「補完食品」という総合的・体系的リスク評価・管理手法を制度化し消費者の健康に対する啓発と健康被害の減少、事前規制の綱が効果的・合理的に設定されることを期待し、実証試験を展開した。
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