研究課題/領域番号 |
21659189
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研究種目 |
挑戦的萌芽研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
消化器内科学
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研究機関 | 山口大学 |
研究代表者 |
寺井 崇二 山口大学, 大学院・医学系研究科, 准教授 (00332809)
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研究分担者 |
山本 直樹 山口大学, 大学教育機構, 講師 (90448283)
高見 太郎 山口大学, 医学部附属病院, 助教 (60511251)
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研究期間 (年度) |
2009 – 2010
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研究課題ステータス |
完了 (2010年度)
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配分額 *注記 |
3,100千円 (直接経費: 3,100千円)
2010年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
2009年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
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キーワード | 肝発がん / 非アルコール脂肪肝炎 / メダカ / ゼブラフィッシュ / Maid / medaka / 肝細胞癌 / Maid KO mice |
研究概要 |
我々はHuman Homologue of Maid(HHM)が、肝臓特異的な遺伝子発現制御、ヒト肝前癌性病変のマーカーになりうることについて報告してきた。また高分化型肝細胞癌は脂肪沈着像を示すことより、非アルコール性脂肪肝炎関連発癌機構の解明は重要である。本研究では非アルコール性脂肪肝炎状態の病態解明、さらにHHMを用いた発癌制御、線維化抑制について検討した。研究成果として小型魚類のメダカ非アルコール脂肪肝炎モデルを作成に世界で初めて成功し報告した(DMM2010)。さらにこの実験モデル系を用いて薬物スクリーニングも実施が可能であることを報告した(Cell & Tissue Res 2011)。またDEN処理により得られたゼブラフィッシュ肝でMaidは癌前癌性病変で発現が増加したことが確認できた。一方、肝細胞癌では発現が低下していた。 Maidを過剰発現させたトランスジェニックメダカをDEN処理したところ、BrdU陽性細胞数が少なかった。MaidKOマウスを作製し四塩化炭素を投与したところ、肝線維化亢進が認められ、Ki67陽性細胞の増加、EpCAM陽性細胞は減少が認められた。Maidは肝発癌制御に関与していると考えられており、四塩化炭素投与で細胞増殖性が亢進していること、メダカでのMaidの過剰発現で細胞増殖性の低下がみられることから、Maidは細胞増殖抑制に働くことが考えられる。さらにDEN処理で得られた肝組織でもFociでは発現が高く、HCCなどの癌部では発現が低いことが免疫組織染色で確認できたことからも発癌制御に関わっていると考えられた。このように新たな非アルコール性脂肪肝炎モデルの確立、またMaid分子の機能解析が明らかになった。これらの成果はさらに、非アルコール性脂肪肝炎関連発癌の制御機構の解明に、小型魚類を用いた本研究実績が役立つと考えられた。
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