研究課題/領域番号 |
21659215
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研究種目 |
挑戦的萌芽研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
腎臓内科学
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
西中村 隆一 熊本大学, 発生医学研究所, 教授 (70291309)
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研究期間 (年度) |
2009 – 2010
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研究課題ステータス |
完了 (2010年度)
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配分額 *注記 |
3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
2010年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
2009年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
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キーワード | 幹細胞 / 腎臓発生 / Sall1 |
研究概要 |
後腎間葉は、Wnt4の刺激を受けて糸球体足細胞(ポドサイト)、近位及び遠位尿細管に分化していく。我々は、後腎間葉に発現するSall1が腎臓発生に必須であること、さらに間葉中のSall1を高発現する集団に多能性の前駆細胞が存在することを明らかにした。しかしこの後腎間葉は、生後には完全に分化して消失してしまい、これが成体腎臓が再生しない一因である可能性がある。よって本計画は、胎児型腎前駆細胞である後腎間葉で働く分子ネットワークの情報を使ってこの前駆細胞を自己複製させ、さらに成体腎で胎児型前駆細胞を再活性化することを目的とした。まずCre存在下にSall1を過剰発現するマウスをノックインの手法で作成し、後腎間葉でCreを発現するSix2Creマウスと交配した。しかし腎臓には異常が認められず、Sall1の過剰発現のみでは胎児型前駆細胞の自己複製を促進するには不十分であることが判明した。次いでWnt4の下流で尿細管への分化を制御するNotch2の活性型変異体を過剰発現するマウスを作成し、同様にSix2creマウスと交配した。しかし後腎間葉でのNotch2の活性化によって、予想外に前駆細胞が枯渇とWnt4の増加による早熟な上皮化がおこり、腎臓の顕著な低形成を示した。よってNotch2は分化の方向性を決定しないこと、Notch2からWnt4に働く負のフィードバック機構が存在することが示唆された。今後は複数の遺伝子を導入することによって、成体腎での前駆細胞の再活性化を図りたい。
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