研究概要 |
1.臍帯血のアレルゲン診断法の確立:これまで臍帯血中にIgEが検出されたとの報告はあるが、アレルゲンパターンを母体血と臍帯血で比較検討した例は無い。従来の測定法であるCAP-RAST法は検出感度が低く、大量の血液を必要とするため、数十種類のアレルゲンパターンを検査できないためである。本研究では、ダイヤモンドコーティング蛋白チップの基本技術開発を基盤にアレルゲン検出チップとして応用し、臍帯血のアレルゲンパターンを調査し、母体血とは全くアレルゲンパターの違い事、胎内でアレルギーが始まっている事、食物抗原がアレルゲンのなる頻度の高いことを明らかにした。 2.検出技術の改良:2.5Aのダイヤモンドの結晶格子にカルボキシル基を導入した蛋白チップをこれまでに開発し(関連特許3件申請:国際特許1件)、高密度集積抗原のハイスループットチップを実現してきた。検出アレルゲンを30抗原にすることができた。IgE以外に、IgG,IgG4,IgA,s-IgAについて、抗原特異的抗体の検出に成功した。測定感度においては、CAP-RAST法の測定限界をさらに下げることに成功した。抗原により違いがあるものの、CAP-RAST法の測定限界をさらに1/12-1/50にまで下げることに成功した。さらに、国際的に広く使用されているCAP-RAST法との相関において、十分な一致を見た。
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