研究課題/領域番号 |
21659285
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研究種目 |
挑戦的萌芽研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
放射線科学
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
松本 義久 東京工業大学, 原子炉工学研究所, 准教授 (20302672)
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研究期間 (年度) |
2009
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研究課題ステータス |
完了 (2009年度)
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配分額 *注記 |
3,100千円 (直接経費: 3,100千円)
2009年度: 3,100千円 (直接経費: 3,100千円)
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キーワード | 癌 / 放射線 / 温熱療法 / タンパク質変性 / DNA修復 / DNA-PK / Ku / DT40 |
研究概要 |
私はこれまでに、DNA-PKの温熱処理で失活し、その原因はKuサブユニットにあること、温熱によるDNA-PK失活の起こり方は生物種によって異なることを明らかにしてきた。本研究は、44℃までの温熱処理がほとんど生存率に影響しないという特性を持つトリBリンパ球DT40細胞をホスト細胞として用いた遺伝子導入実験により、(1)温熱によるDNA-PK失活の生物種による違いの原因はKuの構造の違いによるものか、また、Ku86、Ku70のどちらに原因があるか、を明らかにする、(2)キメラタンパク質や点変異体の作製、解析により、温熱感受性に関係する構造的要因を探る、(3)温度感受性が異なるKuを発現する細胞における温熱放射線増感効果を検討することにより、温熱の放射線増感作用発現におけるKuの失活の寄与を評価する、ことを目的としている。 まず、ホストとなるDT40のKu70およびKu80欠損細胞を入手し、Ku70およびKu80の発現状態やDNA損傷に対する応答性などを調べた。次に、ヒト、マウス細胞からRT-PCR法により、Ku86、Ku70の全長cDNAをクローニングした。なお、遺伝子導入の予備実験を行ったところ、これまでに哺乳類細胞で用いていたベクターおよび遺伝子導入法では、効率やタンパク質発現レベルに問題があったため、ベクターの改変や種々の遺伝子導入法の比較により、最適化を行った。 DT40細胞でKu、あるいはDNA-PKのin situでの活性を見るのに簡便でよい方法は従来なかった。そこで、私が哺乳類細胞で見出したXRCC4のリン酸化を用いることを考案し、トリXRCC4遺伝子をクローニングした。その結果、現在データベースに登録されているトリXRCC4は部分断片で、重要な領域が欠けていたことが判明した。
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