研究課題/領域番号 |
21659323
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研究種目 |
挑戦的萌芽研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
消化器外科学
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研究機関 | 札幌医科大学 |
研究代表者 |
時野 隆至 札幌医科大学, 医学部, 教授 (40202197)
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研究分担者 |
古畑 智久 札幌医科大学, 医学部, 准教授 (80359992)
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研究期間 (年度) |
2009 – 2010
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研究課題ステータス |
完了 (2010年度)
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配分額 *注記 |
3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
2010年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
2009年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
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キーワード | がん / 遺伝子治療 / トランスレーショナルリサーチ / RNA干渉 / p53 / アポトーシス / 癌 / 遺伝子 / トランスレーションリサーチ |
研究概要 |
癌抑制遺伝子p53の導入による遺伝子治療が有効であると考えられるが、必ずしも著効するとは限らず、さらなる工夫が必要である。これまでに、我々はp21発現抑制miRNA/p53共発現アデノウイルスベクター(Ad-p53/miR-p21)を開発することで癌治療効果を増強することに成功した。そこで、更に別の標的遺伝子のひとつであるMDM2を特異的に発現抑制する人工miRNAの設計を行った。この設計配列を元に4種類のDNAオリゴを合成し発現プラスミドベクターに組み込んだ。このベクターをp53発現ベクターと共に大腸癌細胞HCT116にトランスフェクションしたところ、p53が強発現しているにもかかわらずMDM2の蛋白発現誘導の抑制が認められた。次に、相同組み換えを用いて、このベクターをアデノウイルスベクターAd-miR-MDM2を作成した。このアデノウイルスベクターをAd-p53/miR-p21と共に大腸癌細胞DLD-1に感染させたところ、MDM2の発現抑制によりp53の発現上昇と、それに伴うアポトーシスの増強効果が認められた。肝癌細胞Hep3Bおよび大腸癌細胞SW480にアドリアマイシンを併用した場合においても、miR-MDM2はAd-p53/miR-p21によるアポトーシス誘導を増強した。 本研究において、p53発現ベクターにp21抑制miRNAおよびMDM2抑制miRNAベクターを併用することでアポトーシス増強効果を得ることに成功した。miRNA発現ベクターは、他のmiRNAをタンデムに接続することで複数の標的遺伝子の発現を抑制することが可能である。このため、他のアポトーシス阻害的な遺伝子に対するmiRNA設計し、複数を組み合わせることで相乗効果を得ることができる。この研究成果により、更なるp53遺伝子治療効果の増強および治療耐性の回避が期待できる。
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