研究課題/領域番号 |
21659350
|
研究種目 |
挑戦的萌芽研究
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
整形外科学
|
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
田中 栄 東京大学, 医学部附属病院, 准教授 (50282661)
|
研究分担者 |
宮崎 剛 独立行政法人東京都健康長寿医療センター, 研究員 (50376480)
門野 夕峰 東京大学, 医学部附属病院, 助教 (70401065)
|
研究期間 (年度) |
2009 – 2010
|
研究課題ステータス |
完了 (2010年度)
|
配分額 *注記 |
3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
2010年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
2009年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
|
キーワード | Bcl-2 family / 破骨細胞 / Bcl-2 / Mcl-1 / Bisphosphonate / Erk / Akt / Apoptosis |
研究概要 |
我々はこれまでにpro-apoptotic Bcl-2ファミリーであるBimのノックアウトマウスでは破骨細胞の生存期間は延長しているが骨吸収活性は低下していること、一方anti-apoptotic Bcl-2ファミリーであるBcl-xの破骨細胞特異的ノックアウトマウスにおいては破骨細胞の生存期間が短縮する一方で骨吸能が亢進していることを明らかにした。本年はあらたなBcl-2ファミリー分子であるMcl-1に注目して破骨細胞における役割を検討した。Mcl-1はBcl-2 familyに属する蛋白の1つであり、様々な細胞においてアポトーシスを抑制する働きを持つことが知られている。M-CSF,RANKL,TNF-alpha,IL-1等の添加によって破骨細胞におけるMcl-1発現の増加がみられ、さまざまな骨代謝疾患や炎症性疾患においてMcl-1が関与している可能性が示唆された。プロテアソーム阻害剤MG132添加によって破骨細胞におけるMcl-1の発現は上昇し、免疫沈降法によりMcl-1がユビキチン化されることが確認された。このことより、破骨細胞のMcl-1の代謝にはユビキチン-プロテアソーム系によるタンパク分解系が関与していると考えられた。レトロウイルスやアデノウイルスを用いてMcl-1の発現量を増加させた破骨細胞の細胞生存能は亢進したが、骨吸収能は低下した。これとは逆にMcl-1の発現量をノックダウンやノックアウトによって減少させた破骨細胞の細胞生存能は低下し、骨吸収能は亢進した。以上の結果より破骨細胞においてMcl-1は細胞生存能に対しては正の制御を行うが、骨吸収能に対しては逆に負の制御を行う事が明らかになった。
|