研究課題/領域番号 |
21659364
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研究種目 |
挑戦的萌芽研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
麻酔・蘇生学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
稲田 有史 京都大学, 再生医科学研究所, 非常勤講師 (90254515)
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研究分担者 |
中村 達雄 京都大学, 再生医科学研究所, 准教授 (70227908)
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研究期間 (年度) |
2009 – 2010
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研究課題ステータス |
完了 (2010年度)
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配分額 *注記 |
3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
2010年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
2009年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
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キーワード | 末梢神経 / 再生医学 / 疼痛 / 神経再生 / 場の理論 / 総和仮説 |
研究概要 |
本研究はそれを末梢神経の痛みを伴う患者に適応したとき、偶然に発見した驚くべき事実、即ちこれまで不可逆と考えられていたCRPSが、局所の障害を受けた神経を切除して、健全な末梢神経を再生されることによって、治癒するという事実を解明した。 本研究ではこの局所の再生治癒機転を病理的に解明することから開始した。こういうアプローチは臨床では従来されてこなかったものであり、これまで治のみならず世界的にもかつて例がない。 平成22年度に行った研究とその成果は下記の如くである。 1) 局所の末梢神経損傷が周囲に与える影響を病理組織学的に検討した。臨床的に我々が初めて確認したカウザルギーの範囲に一致して損傷部位の神経からsproutingが生じるという事実を動物実験で検証した。 2) 再生する末梢神経が中枢に与えるメカニズムを解明した。脊髄神経管の活動電位を測定し、神経線維、特にC fiberの再生を評価した。併せて神経の活動電位の回復も調べた。 3) ビーグル犬のperoneal nerveの浅枝に微小電極を刺入して、単位感覚神経の活動電位を記録できるシステムを構成した。再生神経が触覚、熱覚、機械刺戟に対してどのように反応するか検討した。またマンシェット圧迫やエタノール注入によりA線維を遮断してCNAPがどのように変化するか、交感神経ブロックにより再生神経の活動電位がどのような影響を受け、これは正常の神経の回復の各時期においてどう違うか調べた。これらの研究の結果より新しい理論として「総和仮説」を提唱した。この理論は運動器疼痛に対する外科治療の新たな地平を切り拓くものとして注目されている。
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