研究課題/領域番号 |
21659371
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研究種目 |
挑戦的萌芽研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
泌尿器科学
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研究機関 | 福井大学 |
研究代表者 |
棚瀬 和弥 福井大学, 医学部・附属病院, 助教 (00359720)
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研究分担者 |
秋野 裕信 福井大学, 医学部, 准教授 (90159335)
横山 修 福井大学, 医学部, 教授 (90242552)
楠川 直也 福井大学, 医学部, 助教 (80372499)
渡邉 望 福井大学, 医学部附属病院, 医員 (80572429)
松田 陽介 福井大学, 医学部, 助教 (90345687)
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研究期間 (年度) |
2009 – 2011
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研究課題ステータス |
完了 (2011年度)
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配分額 *注記 |
3,180千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 180千円)
2011年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2010年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
2009年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
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キーワード | 前立腺肥大症 / 混合性尿失禁 / 尿道上皮 / ATP / Prostaglandin / α_1遮断薬 / COX inhibitor / EP遮断薬 / 過活動膀胱 / 尿道 / 上皮細胞 / 知覚神経 / prostaglandin / 下部尿路 / mediator |
研究概要 |
女性混合性尿失禁、男性の前立腺肥大症といった病態において尿道はその蓄尿症状を発生、もしくは修飾している可能性がある。また蓄尿症状は尿道上皮由来mediatorを介している可能性もある。尿道上皮由来mediatorをモニターする目的で新しい実験系を構築した。雌性ラットに下部尿路閉塞(bladder outlet obstruction : BOO)を作成し、病態下における尿道のmediator放出能と、COX-1/2 inhibitor、prostaglandin受容体であるEP1/3 antagonist、α受容体遮断薬の効果について検討した。 尿道伸展により、尿道上皮より放出されるATP・PGE_2は有意に増加した。BOOラットでは、sham手術ラットに比べその放出量は少なく有意差が認められた。また、α_1A/Dの遮断薬のtamusulosinではATP、PGE_2を抑制することはできなかった。また、tamusulosinは膀胱上皮由来のATP/PGE2の放出を抑制することはできなかったが、同じα1A/Dの遮断薬のnaftopidilはBOOラット膀胱伸展によるATP/NGFの放出を有意に抑制した。したがってα_1A/D遮断薬の蓄尿機能改善効果は尿道上皮由来mediatorを介しているとは考えにくく、膀胱上皮由来mediatorを介して求心性入力の遮断を行っている可能性がある。Non-selective COX inhibitorであるIndomethacinとKetoprofenはそれぞれ48%、70%の有意なPGE_2放出量の減少を認めた。またIndomethacinはATP放出も有意に減少させた。しかし、EP antagonist(ONO-8711 : EP1 antagonist、ONO-AE5-599 : EP3 antagonist)はPGE_2放出量を変化させなかった。EP3 antagonistはATP放出を減少させた。 以上の結果から尿道上皮からは膀胱上皮と同様にATPやPGE2のmediator放出がみられ、α遮断薬では抑制できなかったが、COX inhibitorではPGE2放出抑制と、ATPの抑制も観察された。今後新薬としての可能性が期待される。
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