研究課題/領域番号 |
21659382
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研究種目 |
挑戦的萌芽研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
産婦人科学
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研究機関 | 浜松医科大学 |
研究代表者 |
金山 尚裕 浜松医科大学, 医学部, 教授 (70204550)
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研究分担者 |
伊東 宏晃 浜松医科大学, 医学部附属病院, 病院教授 (70263085)
杉原 一廣 浜松医科大学, 医学部, 准教授 (00265878)
鈴木 一有 浜松医科大学, 医学部附属病院, 講師 (50456571)
幸村 康弘 浜松医科大学, 医学部附属病院, 講師 (50332995)
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研究期間 (年度) |
2009 – 2010
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研究課題ステータス |
完了 (2010年度)
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配分額 *注記 |
3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
2010年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2009年度: 2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
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キーワード | 胎児 / 酸素濃度 / パルスオキシメータ / 子宮筋 / 胎児モニタリング / 近赤外線 / 酸素飽和度 |
研究概要 |
母体腹壁からの照射した近赤外線は散乱光を発生する。その散乱光に含まれる胎児あるいは胎盤・子宮固有の酸素情報だけを抽出し、胎児の酸素情報を検出することが目的である。昨年までに母体腹壁においた送光と受光のセンサーを4~6cmの距離とすると胎児脳まで近赤外光が到達し酸素情報が得られることを見いだした。しかし多数の臨床例を測定すると胎児脳の酸素情報が採取できる例が2割程度であった。この原因を明確にするために、出生後の新生児で近赤外光による脳酸素飽和度を測定した。新生児の頭髪上からセンサーを装着するとデータ採取率は母体腹壁上と同様で2割程度であった。一方、頭髪を避けあるいは剃毛した後に測定すると新生児脳の酸素情報が100%採取できた。センサーを黒い頭髪上に置くと近赤外光が髪の毛で吸収されてしまうことが判明した。胎児の脳の酸素情報を安定して測定するためには胎児の髪の毛を避け前額部に近赤外光が照射されるよう装着することが重要であることが明らかとなった。現在前額部にコンスタントに装着できるようなプローベを作成しているが完成には至っていない。現在の受光器、送行器を用いて胎児の酸素情報を全例測定することは困難であることが明らかになった。そこで胎児の酸素情報を間接的に得る方法を確立することにした。子宮-胎盤-胎児はひとつのユニットであることから子宮筋酸素情報は間接的に胎児酸素情報を反映していると考えた。そこで子宮筋の酸素動態の測定を試みることとした。妊婦腹部の脂肪層の厚さ、脂肪組織に含まれる血管の分布、吸光係数などに関する平均的光学的特性値と偏差などを臨床例の解析から同定した。その結果生体内での筋赤外線の光路を理論計算し、脂肪の影響を排除するソフトの開発に成功した。子宮筋の組織酸素濃度はどのような症例でも測定できる見通しとなった。現在、胎児機能不全、分娩遷延、陣痛異常、胎児発育不全などの子宮筋の組織酸素濃度を測定し臨床的有用性を検討している。
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