研究課題/領域番号 |
21659395
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研究種目 |
挑戦的萌芽研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
眼科学
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
中澤 徹 東北大学, 大学院・医学系研究科, 准教授 (30361075)
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研究期間 (年度) |
2009 – 2010
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研究課題ステータス |
完了 (2010年度)
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配分額 *注記 |
3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
2010年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
2009年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
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キーワード | drug deliverv system / ナノ粒子 / 細胞指向性治療 / drug delivery system |
研究概要 |
ステロイド(デキサメサゾン、DEX)含有ナノ粒子(DEX-NP)の炎症抑制効果は、生体では週令の雄SD-rat使用して、病態(NMDAモデル、網膜剥離モデル)眼に投与し、治療効果(FluoroGoldで逆行性染色した網膜神経節細胞の生存数を数えること、視細胞のTUNNEL染色陽性細胞を数えること)を確認した。培養細胞においては、初代培養したマクロファージにDEX-NPを投与し、qRT-PCRで炎症(TNFα、MCP1)抑制効果を定量した。 DEX-NP(13μg/ml、DEX0.65μg/ml相当)の治療効果について、培養マクロファージに対してステロイド(DEX)単独投与(0.65μg/ml)と同等の炎症抑制効果、そしてより長期間(2日間まで)に効果が持続したことを、TNFα MCP1のmRNA発現で確認した。生体では、NMDA病態モデルに対してミクログリア活性化の抑制、網膜神経節細胞(RGC)のapoptosisの抑制効果を認めた。網膜剥離モデルに対して、視細胞のapoptosisを抑制できた。 これまでに網膜剥離、緑内障、網膜虚血、ぶどう膜炎、脈絡膜血管新生の動物モデルにおいて、マクロファージ、ミクログリアの神経毒性を報告してきたことから、網膜疾患の神経保護治療に有効な可能性がある。ステロイドはその薬効から臨床的に良く用いられているが、意図しない副作用(緑内障、白内障)のために慢性疾患には長期投与が難しい。マクロファージとミクログリアに特異的に薬剤伝達できれば、免疫抑制以外の副作用が軽減できる。本研究で使用したナノ粒子がマクロファージ、ミクログリアへ取り込まれる特性を利用して、薬剤をターゲット細胞特異的に運搬し、副作用を抑えた新しい眼内投与法の開発が期待できる。
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