研究課題/領域番号 |
21659463
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研究種目 |
挑戦的萌芽研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
外科系歯学
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研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
天笠 光雄 東京医科歯科大学, 医歯学総合研究科, 教授 (00014332)
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研究期間 (年度) |
2009 – 2010
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研究課題ステータス |
完了 (2010年度)
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配分額 *注記 |
3,200千円 (直接経費: 3,200千円)
2010年度: 400千円 (直接経費: 400千円)
2009年度: 2,800千円 (直接経費: 2,800千円)
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キーワード | NBI / 口腔癌 / 口腔前癌病変 / スクリーニング / 診断 |
研究概要 |
通常光観察と癌の栄養補給路である粘膜表層の毛細血管や粘膜微細模様などを、色調の違いとして強調表示する狭帯域光観察(NBI) Narrow Band Imaging (NBI)は2つの特定の帯域に狭められた光がヘモグロビンによって強く吸収され、血管と組織のコントラストを強調し、内視鏡を用いて観察されたモニター上では粘膜表層の毛細血管が茶色に、粘膜下内部の血管が青緑色に表示される。NBIは消化器外科・耳鼻咽喉科領域ではすでに臨床応用されており、癌の早期発見に有用とされている。NBIは低侵襲であり、かつ粘膜表層の毛細血管や微細構造の検出を可能にしており、口腔粘膜表層に発症する事の多い、口腔癌の診断にも応用できる可能性がある。さらに初期の口腔癌は無症状であることもありNBIによる検査を定期的に施行することで、視診ではこれまで見つけることができなかった微少な変化を検出し、口腔癌の早期発見につながることが期待される。しかしながら、NBIの口腔癌診断おける有用性については、まだ報告も少なく、臨床的なデータが不十分である。そこで今回、新しい口腔癌の診断法の1つとしてNBIによる診断法を確立させるべく、研究を開始することを計画した。本年度は、オリンパス外来NBI TVシステムISERA-Proを用い、東京医科歯科大学歯学部附属病院顎顔面外科を受診し、舌扁平上皮癌と診断された一次症例8例を対象に、全身麻酔下手術の際、切除範囲決定の前に通常光およびNBIで観察を行い、得られた画像を記録した。NBIにて茶褐色領域(Brownish area)として検出された領域は、8例中、4例が扁平上皮癌であり2例が上皮異形成、2例が早期浸潤癌であった。この結果より、NBIは癌の補助診断となりうる可能性があるとされるが、今後も症例を重ねてその有用性について明らかにしていく予定である。
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