配分額 *注記 |
9,360千円 (直接経費: 7,200千円、間接経費: 2,160千円)
2011年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2010年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2009年度: 5,720千円 (直接経費: 4,400千円、間接経費: 1,320千円)
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研究概要 |
近年,非常に狭い空間を歩行する状況において,右側の障害物に多く接触するという報告がされた.この結果は擬似的空間無視と呼ばれる認知的特性が歩行にも反映したと解釈されている.本研究ではこの現象に対して,歩行軌道に対して運動性要因や利き目の要因が与える影響を検証すること,および認知的要因が擬似的空間無視で間違いないかを検証することであった,実験の結果,歩行軌道の左右偏向度は,隙間を通過する際の足の左右に規定されることがわかった.認知的要因を検討した結果,体性感覚的注意や視覚的注意が向けられた方向の逆側に歩行が偏向し,歩行における認知的要因の関与が示唆された.右利き目の参加者の場合,利き目を遮蔽して隙間を通過した場合に遮蔽側に軌道が偏向した.この結果は,右利き目者が利き目からの視覚情報に強く依存していることを示唆している.以上の結果から,隙間通過時の歩行軌道の左右偏向性は視覚性,運動性,および認知的要因の複合的結果として生起することが示唆された.認知的要因については,疑似的空間無視ではなく,歩行空間に対する左右への注意配分が反映している可能性が高いと考えられる.
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