研究課題
若手研究(A)
本研究では、我々が独自に開発を進める細孔型のマイクロパターンガス検出器(MPGD)とメッシュ型ガス検出器(MPGD)、そして光電子変換金属(光電面)を複合化させた『ガス光検出器』の技術開発を行い、紫外から可視光の波長領域に高い感度特性を持ち、大きな有効面積と高磁場環境下においても動作可能な「新型光検出器」の基礎開発を摂り進めた。このマイクロパターンガス検出器(MPGD)は、微細加工技術や半導体製造技術を用いて製作した微小な電極から構成されるガス放射線検出器の一つで、優れた位置分解能と高い時間分解能、そして高計数率での動作が特徴である。本年度は有限要素法電場解析シミュレーション(Maxwell-3D)とガス検出器のシミュレーションプログラム(Garfield)を用いてマイクロパターンガス検出器(MPGD)の設計を行い、アルカリ光電面と化学的相性の良い材質を用いてMPGDを製作し、希ガスの混合ガスを封入して評価試験を行った。具体的にはCsI光電面と細孔型のMPGDとで構成される『ガス光検出器』にネオンを主ガスとした混合ガスを0.9気圧封入し紫外線を照射して特性を調べた。この基礎特性試験の結果から、10万以上の電子増殖度を達成することができ、その成果を国際会議で発表した。
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