配分額 *注記 |
27,170千円 (直接経費: 20,900千円、間接経費: 6,270千円)
2011年度: 5,070千円 (直接経費: 3,900千円、間接経費: 1,170千円)
2010年度: 5,070千円 (直接経費: 3,900千円、間接経費: 1,170千円)
2009年度: 17,030千円 (直接経費: 13,100千円、間接経費: 3,930千円)
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研究概要 |
本研究では、薄板多結晶シリコンの成長技術を開発するための要素技術として、融液成長過程においてSi多結晶が成長するメカニズムを解明することを目的としている。本技術開発には、融液成長過程において、ファセットデンドライト成長を効果的に発現させることが重要となる。本年度は、昨年度に導入したシリコンの融液成長過程のその場観察装置を用いて実験を行い、Si融液から薄板結晶が成長する過程を直接観察し、特に、ファセットデンドライト成長メカニズムの解明において大きな成果が得られた。 本装置を用いた実験により、Si<110>ファセットデンドライトの成長過程を詳細に観察することができ、その成長メカニズムを解明した(Phys. Rev. B, 81(2010)224106)。これにより、Si<112>ファセットデンドライトとの成長メカニズムの違いが明らかになった。また、ファセットデンドライトの成長速度の理論式を専出し、過冷却度がファセットデンドライトの成長速度に及ぼす影響を理論と実験の両方から明らかにした(Appl. Phys. Lett., 98(2011)012113)。過冷却度が同じ場合、<110>デンドライトの成長速度の方が、<112>デンドライトの成長速度より大きくなることが示された。また、過冷却度の大きさによって、<112>デンドライトと<110>デンドライトの発生割合が変化することが明らかとなった(Cryst. Growth Des., 11(2011)1402)。低過冷却度では<112>デンドライトの発生割合が大きく、高過冷却度では<110>デンドライトの発生割合が大きくなる。これにより、融液成長過程において、どちらか一方のファセットデンドライトのみ発現させるための知見が得られた。
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