配分額 *注記 |
24,570千円 (直接経費: 18,900千円、間接経費: 5,670千円)
2011年度: 7,540千円 (直接経費: 5,800千円、間接経費: 1,740千円)
2010年度: 7,930千円 (直接経費: 6,100千円、間接経費: 1,830千円)
2009年度: 9,100千円 (直接経費: 7,000千円、間接経費: 2,100千円)
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研究概要 |
本研究の目的は,ヒトの皮膚感覚が「つるつる・ざらざら」などの対象物の性質を捉えるためだけでなく,「押しつけ感・抵抗感・引きずり感」などの自身の運動や力(深部感覚)の知覚にも役立っていることを,触覚ディスプレイ技術を用いて実証し,そのメカニズムを解明することである.また,そのような運動知覚を引き起こす皮膚刺激の条件を明確化し,疑似運動感覚の呈示という触覚ディスプレイの新しい利用法を確立する. 本年度は,昨年度開発した触運動の速度,加速度に比例して,振動刺激の振幅を変化させることで,粘性抵抗や慣性を呈示する手法を用いて,携帯型の情報端末上で仮想能動触を介した疑似力覚呈示が可能であることを実証し,その錯覚量を同定した.また,新たに,振動刺激を用いて,バネを引っ張ったときのような弾性力を呈示する手法を開発した. また,振動刺激を用いて硬軟感が呈示可能であることを,心理物理実験によって実証し,皮膚の変形に伴うメルケル小体の活動がヒトの硬軟感の知覚に関与することを示した. 更に,ペン状の物体を把持した際に,手指の複数点に加わる圧覚によって,ヒトがペン先に加わる外力の方向と大きさを推定可能であることを,吸引圧を用いた多点皮膚刺激装置を開発して実証した. 最後に,昨年度開発した触察運動の皮膚の変形挙動を詳細に観察する装置を利用して.固着・滑り振動を伴う摩擦振動を詳細に解析し,数値シミュレーションによって,触運動や物理因子が振動周波数や振幅に及ぼす影響をモデリングした.このモデルを用いて,固着を伴わない振動現象も考慮した新しい摩擦感呈示法を開発し,その触感の評価を行った.
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