配分額 *注記 |
11,440千円 (直接経費: 8,800千円、間接経費: 2,640千円)
2011年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2010年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2009年度: 6,890千円 (直接経費: 5,300千円、間接経費: 1,590千円)
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研究概要 |
多孔質媒体中の空隙のような閉塞空間において鉱物が成長する場合,鉱物が空隙壁面を押しのけて成長することがある.このような鉱物が周囲の拘束を変形させる力は,Crystallization pressureと呼ばれ,建材として用いられている岩石の風化・破壊や地下における物質移動,岩石の変形,組織等に影響を与えていると考えられている.発生するCrystallization pressureは,鉱物が晶出する際の溶液の過飽和度に依存し,この大きさや性質を評価する多くの実験的研究が行われているが,そのメカニズムを明らかにし,かつ定量評価を行った例は多くない.そこで光弾性法を用いた,塩化ナトリウム結晶が閉塞空間において晶出する際の拘束材料内部の応力分布可視化を通じて,Crystallization pressureの定量評価を行った.PDMSマイクロ流路内で塩化ナトリウム結晶を成長させたところ,過飽和溶液から成長する結晶は,PDMS流路壁面を押しのけることがわかった.また,その結晶成長過程は非平衡であり,時間経過と共に結晶・流路壁面界面の形状が変化する.結晶成長過程においてPDMS流路壁面近傍に生じる複屈折率変化を複屈折率イメージング装置により測定した.結晶成長に伴うCrystallization pressureは,PDMSのリターダンス変化により観察することができることがわかった.リターダンスを元にした有限要素法解析により,Crystallization pressureの定量評価に成功した.
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