配分額 *注記 |
24,830千円 (直接経費: 19,100千円、間接経費: 5,730千円)
2011年度: 7,540千円 (直接経費: 5,800千円、間接経費: 1,740千円)
2010年度: 8,320千円 (直接経費: 6,400千円、間接経費: 1,920千円)
2009年度: 8,970千円 (直接経費: 6,900千円、間接経費: 2,070千円)
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研究概要 |
ホウ素は植物の必須栄養素であると同時に、過剰条件では毒ともなる元素であり,その土壌からの吸収と植物体内での移行は厳密に制御されている。本研究の目的は,植物細胞がホウ素濃度を感知し,ホウ素輸送体BOR1の蓄積量を制御し、ひいてはホウ素の吸収と移行を制御する機構を解明することである。 本年度は、ホウ素濃度センサー候補と考えられるCell wall-associated kinase(WAK)について逆遺伝学的解析を継続した。シロイヌナズナゲノムにコードされる25個のWAK様遺伝子のほとんどについてKnock-outが期待できる変異株を整備し、それぞれにおいてホウ素欠乏および過剰条件への感受性とBOR1の分解制御を解析した。その結果、BOR1の分解制御に関する変異株は得られていないが、ホウ素欠乏もしくは過剰に感受性を持つ変異株が複数見つかった。これらの変異株において欠損しているWAK様タンパク質は、ホウ素センサーとして働く可能性が考えられる。特にホウ素過剰条件に感受性が高い2つの変異株については、二重変異株を作成した。さらにこれら2系統の変異株において欠損している2つのWAK様タンパク質についてGFP融合タンパク質を発現する形質転換植物を作出した。また、免疫沈降・質量分析によりBOR1に結合する候補タンパク質を同定し、これらの変異株を整備した。今後、これらの実験材料を用いてホウ素濃度感知機構を明らかにしていきたい。
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