研究課題
若手研究(A)
肝移植患者において、一般的な肝機能マーカーであるトランスアミナーゼ(AST、ALT)や総ビリルビン(T-Bil)の上昇を認めないSubclinicalな拒絶反応の半数は、引き続きこれらマーカーの上昇を伴うClinicalな拒絶反応へと進行する。現状では、肝生検を用いた病理診断によって拒絶反応を診断するが、C型肝炎(HCV)ウィルスに感染した患者では肝炎再燃の病理像との区別が困難であること、薬剤性肝障害の可能性も否定できない等の問題点に対して、「移植肝障害」の原因究明に繋がる分子生物学的指標の同定を到達目標として研究を進めた。平成22年度では、初年度で得られた成果について研究を進め、肝臓移植後の胆汁中代謝物の濃度が移植肝における拒絶反応をはじめとする障害を反映しうることを明らかにした。特に、胆汁中のタンパク質約50種類を調べたところ、一部の炎症関連タンパク質の胆汁中濃度は,胆汁中タクロリムス代謝物濃度と良好な負の相関関係を示し、移植肝の解毒能を反映するバイオマーカーとして有望なことが強く示唆された。今後、前向き検討を進めることによって、移植肝障害のバイオマーカーとして臨床活用可能かどうかを明らかにしたいと考える。
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