研究課題
若手研究(A)
代謝系臓器と心血管系は常に変動する物理的・代謝的負荷に応答し、個体としての恒常性を保っている。その基盤として、各細胞には負荷に迅速に応答する遺伝子発現の制御機構が備わっていると考えられる。一方、これまでの研究成果から、SUMO化やアセチル化、リン酸化といった翻訳後修飾が転写因子の機能や安定性を変化させ、遺伝子発現を急速に変化させうることが知られている。我々はこれまでに、KLF5のSUMO化が環境に応じてエネルギー燃焼関連遺伝子群の発現を制御する分子スイッチとして機能することを明らかとしてきた。SUMO化と脱SUMO化は相互に可逆的で迅速な反応であることから、常に変動する細胞内エネルギー状態を反映する迅速な遺伝子発現調節に広く関与している可能性が高い。そこで、本研究計画では、代謝臓器および血管構成細胞の負荷応答における生理的な遺伝子発現調節に、いかにSUMO化やアセチル化が関与するかを解析する。特に、代謝ストレスや外的障害ストレスに対する応答としてのSUMO化/脱SUMO化制御の分子機構を同定する。同時に、肥満・メタボリックシンドロームや動脈硬化の病態形成における、可逆的翻訳後修飾の制御異常を解析し、その分子機構を明らかにすることを目的として研究を進めた。平滑筋細胞や脂肪細胞におけるKLF5のSUMO化の有無を検討した。また、骨格筋におけるKLF5機能の解析を進め、KLF5が運動への応答に重要であることを見いだした。
すべて 2010 2009
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FASEB Journal (印刷中)
Cancer Research 69
ページ: 6531-6538