配分額 *注記 |
5,850千円 (直接経費: 4,500千円、間接経費: 1,350千円)
2012年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2011年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2010年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2009年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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研究概要 |
画像領域の切り貼りは近年最も盛んに研究が進んでいる分野の1つであり,貼付けた部分をなじませるためには考慮すべき条件が多く存在する.従来の手法では人,車,動物など,1つのまとまった領域を切り貼りすると前提し,貼付けた部分やその周辺色をコントロールすることによって合成の違和感を軽減させる方法が多数提案されている.一方で,実際に画像の切り貼りを行う場合には,1つの独立した物体を切り貼りするだけでなく,例えば煙突部分や建物の一部など,物体の一部を切り貼りしたい場合が生じる.そこで昨年度は,領域の境界部分を違和感なく合成するための手法を考案した.しかしながら,領域の切り貼り及び合成には色差式というものを使わなければならないが、既存の色差式は特に色差の大きい部分では知覚に沿わないことが知られており,同様の理由から色差式を見直す必要が出て来たため,色の類似度に関する心理視覚実験を行うことによって既存式の問題点を洗い出した.今年度は更に実験を改良し,再実験を行うと共にその結果を分析したところ,人間が類似していると考える色は,従来の"色弁別"のような低次情報処理ではなく,カテゴリカル色知覚のような高次の情報処理が関わっていると結論づけられた.そこでカテゴリカル知覚を色差式に取り入れ,色の違いが大きい色間の色差を求める際にはその色の基本色カテゴリーを考慮するような新たな色差式を提案した.最後にその色差式に基づいて新たに画像の切り貼りを行えるよう,システムの改良を行い,その効果について確認した.
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