本研究では、Natural Direct Effectと呼ばれる直接効果の考え方を利用し、代替性を評価するための新しい基準を提案し、提案指標について、我が国で実施された大規模ランダム化比較試験であるCASE-J試験への適用を試み、脳血管イベントに対する血圧の代替性の評価を行うことを目標とした。 統計的には代替変数が連続変数であり、真のエンドポイントが繰り返し測定となるデータへの拡張を提案できた点で意義深いと考えられる。CASE-J 試験へ適用した結果については、ランダム化比較試験における介入の血圧を経由する効果、経由しない効果を定量的に評価することができ、心血管イベントのうち特に脳イベントに関しては群間に観察された到達血圧の差約2mmHgでも、総合効果のうち血圧を経由した影響が大きいことが明らかとなり、臨床的にも重要な知見を得ることができた。
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