研究課題
若手研究(B)
本研究の目的は、我々が発見した新規ガイダンス分子であるDraxinに着目し、非常に複雑な脳神経回路の形成メカニズムの一端を明らかにする事である。本研究では、Draxinがユニークな役割を果たすと考えられる脳梁形成と視床皮質軸索投射に着目した。視床皮質軸索と皮質視床軸索は内包で直接的に相互作用し、最終的な標的にお互いをガイドする。パイオニア軸索を発するサブプレート神経が視床皮質軸索投射に必須であることが明らかにされているが、その過程に関わるガイダンス分子は報告されていない。我々は、Draxinの機能に関して以下の事を明らかにした。1)Draxinノックアウトマウスの視床皮質軸索は内包までは到達するが、その後大脳新皮質に投射されず、一部は外包に異常に投射する。2)Draxinはサブプレート神経を含む大脳新皮質に強く発現する。3)Draxin-Alkaline Phosphatase (AP)タンパク質は視床皮質軸索に結合する事から、視床皮質神経細胞にDraxin受容体が発現すると考えられる。さらに、Draxinは視床組織片からの神経突起に結合し、その伸長を阻害する。4)Draxinノックアウトマウスにおけるサブプレート神経の形成は正常である。以上の結果から、サブプレート神経を含む大脳新皮質から分泌されるDraxinが視床皮質軸索の内包から大脳新皮質への投射に必須のガイダンス分子であると考えられた。脳梁形成に関しては、Draxinの反発活性を仲介する受容体がdccである事を明らかにした。
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