研究概要 |
DNA二重鎖を修飾した金ナノ粒子の分散状態変化に伴う色の変化を利用して,試料中に存在する微量の水銀イオン(Hg^<2+>)を目視検出する手法を開発した.自由末端近傍にチミン-チミン(T-T)ミスマッチ部位を導入したDNA二重鎖担持金ナノ粒子は,高イオン強度水溶液中においても安定に分散し赤色を示したが,この分散液に0.1ppm以上のHg^<2+>を添加すると,速やかな金ナノ粒子の凝集が誘起され溶液の色が赤色から無色へ変化し,Hg^<2+>の存在を迅速に目視で確認できた.T-Tミスマッチ部位でのT-Hg^<2+>-T錯体形成が,DNA二重鎖の自由末端を剛直化させ,粒子間のエントロピー斥力が低下したものと考えられる.
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