研究課題
若手研究(B)
脂肪組織は単なるエネルギー貯蔵だけでなく、アディポサイトカインと言われる多様な生理活性を示すホルモンを分泌することが知られている。なお、アディポサイトカインの分泌機能が乱れると、糖尿病、脂質異常症、高血圧などの生活習慣病を引き起こすことが知られている。過剰に蓄積した内臓脂肪は、アディポサイトカインの産生バランスを乱すことが知られている。よって、アディポサイトカインと脂肪代謝を制御することは、生活習慣病を予防するために重要である。リグニンは、細胞壁の構成成分の一つであり、地球上のバイオマスの20~30%を占めるものであり、セルロースの次に多いバイオマスである。リグノフェノールはリグニンの誘導体であり、高いフェノールの特性と抗酸化作用を有する物質であることが知られているが、その生理機能については未だ明らかとされていない。本研究によって以下の2点があきらかとなった。1)リグノフェノールは、オレイン酸がヒト肝細胞に誘導する脂質異常症を抑制すること。2)リグノフェノールは、生活習慣病を引き起こすアディポサイトカインの分泌をマウス脂肪細胞において抑制すること。これらの研究成果は、脂質代謝、アディポサイトカイン代謝を制御することによる生活習慣病の予防対策に役立つものであろう。
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