研究概要 |
ある特定の要素が構造内に存在しないことを積極的に予測するために,人間の文処理メカニズムにどのようなアルゴリズムが備わっているのかを探った。Aggressively non-D-linked wh疑問文という特定のwh疑問文を用いて,文処理メカニズムの特質を,特に人間の作動記憶との関連という点から研究を進めた。また,英語の多重wh疑問文の処理に関わる緻密な処理の段階を調べた。逆方向への先行詞の探索が重要な役割を果たしていることを明らかにし,日本語の様な意味役割をもらう位置に登場するwh句の処理とはやや異なる処理段階が含まれていることが示唆された。
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