研究概要 |
本研究は,漢字政策の改定が,実際の漢字使用にどのような影響を及ぼしたかを,大規模データに基づく漢字使用の実態調査から明らかにするものである。漢字政策の改定が漢字使用に影響を与えた例として,次のようなことが明らかとなった。 (1)当用漢字補正資料の削除候補字28字の中には,書き換え(附属→付属,濫用→乱用,膨脹→膨張,遵守→順守)が定着した等のことにより,頻度を下げている字がある。 (2)常用漢字表(昭和56年)追加95字のうち78字(82.1%)が『現代日本語書き言葉均衡コーパス』の雑誌データで上位2000位以内に出現しており,常用漢字として定着が進んでいる。
|