研究概要 |
本研究課題の目的は,経済活動の空間的構造を,特に企業の生産性がそれぞれ異質であるという,より現実的な仮定の下で実証的に明らかにすることであった.戦前期の製糸業についての個票データと,新たに開発した理論モデルによって,単一産業に特化した集積地における企業生産性上昇は,集積の外部効果ではなく,生産性が低い企業が淘汰されることによるものであったことを示した.これまで異質な産業が集中する都市のケースでは,集積の外部効果が生産性上昇の大部分を説明することがいわれていたため,本研究課題の成果は,この分野の研究における新たな発見といえ,極めて重要な成果であるといえる.
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