研究課題/領域番号 |
21730260
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
財政学・金融論
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研究機関 | 東洋大学 |
研究代表者 |
橋本 優子 東洋大学, 経済学部, 准教授 (80333037)
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研究期間 (年度) |
2009
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研究課題ステータス |
完了 (2009年度)
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配分額 *注記 |
2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2009年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
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キーワード | 資本移動 / 資金循環表 / 新興市場国 / バランスシート / 東欧 米国 / 対外債務 対外資産 / 金融市場 / リーマンショック |
研究概要 |
近年の世界の資本取引の変遷の状況および、2008年秋以降の世界的な金融危機にどのような影響を与えたのか、あるいは国毎の違いが資本収支にどう反映されたのかを、資金循環表を用いて時系列、資産別、国別の分析を行った。とくに、金融深化や、対外投資(ホームバイアス)の程度を、セクター別、アセット別に調べた場合、G7の先進国以上に、東欧などのエマージング国の対外バランスが急速に拡大したことが明らかとなった。2000年以降の世界経済の好況の一端として、これらのエマージング・マーケットが米国を中心とする金融資産保有を拡大したことが原因である。さらにいえば、2008年秋のリーマンショックが東欧やバルト国に深刻な影響を与えたのも、これらの証券保有に頼った対外債務拡大が理由であったことを明らかとした。また、オランダやベルギー、ルクセンブルグなどの金融センターのバランスシートの伸び以上に、新興市場国やその他の先進国(スペインなど)がバランスシートを拡大させている。すなわち、近年の資本取引の特徴は、金融センターを経ない、直接的なExposureの役割が大きくなっていることを示している。さらに、部門別に時系列での変遷をみると、米国での家計部門および金融部門のバランスシートの急拡大が特徴的であることが判明した。GDPの伸びに比べても、他国に比して際立っており、住宅市場を中心としたローンモーゲージの破綻と金融セクターの証券化が、リーマンショックの悪影響をより大きくしたことも明らかとなった。マクロ経済との関連でいうと、新興市場国ではTrade opennessと対外バランスの拡大が正比例しており、経済発展に伴って金融規制が自由化され、対外資本取引が活発化したことを示している。
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