研究概要 |
包括利益計上の意味を明らかにするため,特定項目が包括利益へ与える影響について適合する可能性のある構成要素(繰延ヘッジ損益,新株予約権)に着目し検討を行った.繰延ヘッジ損益について検討した結果,包括利益計算の本質の一端として,ヘッジ会計を否定した利益概念であることが導かれた.さらに新株予約権について検討した結果,米国および日本では,概念フレームワーク上親会社説に基づく純利益と経済的単一体説に基づく包括利益を共存させているが,新株予約権に対する捉まえ方の相違により,連結上利益計算へ与える影響が異なることが明らかとなった.
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