研究概要 |
本研究では,中学生の過剰適応傾向における非適応性について,self-discrepancy理論と素因ストレス理論の2つの観点から検討した。理想自己と現実自己の乖離(discrepancy)は,ある種の認知的不協和を個人に生起させる。この認知的不協和が生じた際,過剰適応傾向の高い者ほど,ストレス反応や学校ぎらい感情が高まることが示された。また,過剰適応傾向は,ストレッサーが低い時にはストレス反応に影響しないが,ストレッサーの頻度が増えたとき,ストレス反応を増強させる作用が男子においてみられた。
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