研究概要 |
本研究の目的は,学習指導要領の改訂に伴う移行措置および全面実施による中学校数学の指導方法等の変化と,生徒の数学に対する動機づけの変化との関係を検討することであった。そのために,学習指導要領の改訂に伴う移行措置および全面実施による指導方法等の変化を記述するとともに,生徒の数学に対する道具的動機の経時的変化をとらえるための調査を,2つのコーホート(平成21,22年度入学の生徒)を対象に実施し,両者ともに第2学年から第3学年にかけての「数学に対する道具的動機づけ」の変化と,「数学的活動の指導に当たっての配慮事項」にあるような内容の取り組み状況の変化との関係を,マルチレベルモデリングによって検討した。その結果,道具的動機づけが第2学年時において高い生徒ほど第3学年次においても高いという傾向が見られた。しかし,第2学年時と比べて第3学年時の方が「配慮事項」にあるような内容の取り組み状況が多かった学校ほど,第2学年時において高い生徒ほど第3学年次においても高いという傾向が弱められ,第3学年時の道具的動機づけが全体的に高かったことが示された。
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