研究概要 |
本研究は,前頭葉損傷者の遂行機能障害の認知リハビリテーション(認知リハ)の訓練効果を行動データとNIRSによる脳血流データの両側面から検討した.発動性,反応抑制,社会的認知,認知的柔軟性の各機能の促進をめざした4つの治療的介入を実施したところ,いずれについても訓練後には患者の認知成績が改善し,また,前頭前野の脳血行動態反応の量的・質的変化も観察された.本研究で試みたような直接刺激法による遂行機能障害の認知リハは,慢性期の前頭葉損傷者の行動面の改善のみでなく,脳内病変部位に可塑的な変化をもたらす可能性がある.
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