研究概要 |
本研究は,森林環境に含まれる超音波成分の聴取の疲労回復効果につついて検討した.調査1(n=20)では,安静時聴取中の脳波のパワースペクトルを分析した.可聴閾音聴取に比べ,超音波聴取時は前頭-中心領域のβ帯域パワーが有意に高かった.調査2(n=28)では,精神的作業(視覚探索課題)後の安静状態で音聴取を行い,唾液を採取した.分泌型免疫グロブリンA(s-IgA)の濃度は,超音波音聴取時でわずかに上昇した.以上の結果は,超音波音の聴取による疲労回復効果は小さいが,前頭-中心領域の脳活動を増加させる可能性を示唆している.
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