研究課題/領域番号 |
21740039
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
幾何学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
山口 祥司 東京大学, 数理(科)学研究科(研究院), 研究員 (30534044)
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研究期間 (年度) |
2009
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研究課題ステータス |
完了 (2010年度)
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配分額 *注記 |
2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2010年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2009年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 結び目理論 / 被覆空間 / 3次元トポロジー / ねじれアレキサンダー不変量 / 線形表現 |
研究概要 |
結び目の外部空間の被覆空間のトポロジーを調査するために、被覆空間の位相不変量を結び目のねじれアレキサンダー不変量の積から計算する積公式を導出を行った。この公式の導出は、本研究課題の目的である「結び目(理論)と結び目に沿った分岐被服空間と呼ばれる空間のトポロジ-との関係をねじれアレキサンダー不変量を使って解明する」ことの過程において、中間地点に対応する。今回得られた積公式の適応対象である"結び目の外部空間の被服空間"と本研究課題の目的にある"結び目に沿った分岐被覆空間"との違いは、"Dehn filling"と呼ばれる3次元空間を変化させる操作によって記述される。本研究課題の目的達成のためには、今後さらに積公式の"Dehn filling"についての変化を詳細に考察する必要がある。今年度の成果の一つである積公式の導出は、パリ第7大学(フランス)所属のJerome Dubois氏との共同研究の成果である。 また、得られた積公式の具体例を様々な結び目を使って構成していく中で、結び目理論において最も基本的かつ重要といってよい結び目のアレキサンダー多項式とねじれアレキサンダー不変量との間の新たな関係を発見することができた。元来、ねじれアレキサンダー不変量はアレキサンダー多項式という結び目理論及び3次元トポロジーにおいて非常に有用な不変量を結び目群の線形表現と組み合わせることにより精密化を図ったものである。今回の発見は、結び目のねじれアレキサンダー不変量の中にアレキサンダー多項式自身が多項式の因子として現れる現象を発見し、解明することができた。今回の発見、考察においては、今年度交付された科学研究補助金による国内外での研究打ち合わせから多くの有益な情報を得ている。とりわけ、トロント大学(カナダ)の村杉邦夫教授との議論からは多くの示唆を受けることができた。
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