配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2011年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2010年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2009年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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研究概要 |
本研究では,地球シミュレータで運用されている全球渦解像海洋モデルを用いて,中規模渦に代表される中規模擾乱による南北熱輸送量を,世界で初めて,全球に渡って推定する.解析の結果,低解像度モデルを用いた過去の研究と同様に,西岸境界流および南極周極流域において卓越した極向きの渦熱輸送量が見られ,また,赤道域において卓越した赤道向きの渦熱輸送量が見られた.この中緯度帯の極向き渦熱輸送は,渦が背景場の南北の水温勾配を緩やかにする働きを持つことを示唆しており,これは線形傾圧不安定の描像に一致する.しかし,興味深いことに,特に黒潮続流および湾流において,それらの南腹の亜表層に顕著な赤道向きの渦熱輸送が生じている.この亜表層の赤道向きの渦熱輸送の成因は,黒潮続流と湾流とでは異なるようである.黒潮続流では,続流南腹に定常的に存在する暖水が,イベント的に生じる続流の赤道向きの蛇行によって赤道方向に移流されることが,赤道向きの渦熱輸送の実態である.一方,湾流では,湾流流軸上に形成される暖水渦が南側再循環によって南に移流されることが赤道向きの渦熱輸送を引き起こしている.
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