研究概要 |
メタンモノオキシゲナーゼ(MMO)は不活性なメタンをメタノールに転換する酵素で,可溶型の sMMO と膜結合型の pMMO の2つの型が知られている.sMMO は X 線構造解析から鉄活性中心の構造が明らかにされ,その反応メカニズムは明らかにされつつある.それに対して, pMMO に関する研究例は少なく,pMMO の X 線構造解析から二核銅及び単核銅を活性点に有する多核の金属活性点を持つことが明らかとなったものの,その活性化の仕組みや反応機構は分子レベルでは未だによく分かっていない.我々は,X 線構造のモデル計算の結果から二核銅酸素錯体の電子状態が+1 価と+2 価の混合原子価のときにメタンと効率よく反応することを明らかにした.最近の分光学的研究からも二核銅錯体が反応の活性部位であることが明らかになり,その反応機構や膜タンパク中での挙動に注目が集まっている.
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