研究課題/領域番号 |
21750178
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
生体関連化学
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研究機関 | 立命館大学 |
研究代表者 |
波多野 吏 立命館大学, 准教授 (30512305)
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研究期間 (年度) |
2009 – 2010
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研究課題ステータス |
完了 (2010年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2010年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2009年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
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キーワード | 光捕集器官 / クロロフィル / J会合体 / 光電変換 / エネルギー移動 |
研究概要 |
クロロゾームの表面には脂質の持つ糖やリン酸残基が存在し、アニオン性の電荷を帯びている。そこで、本研究ではまず、天然多糖を有機合成的に機能変換することにより、クロロゾーム表面と相互作用可能なカチオン性の半人工多糖を合成した。さらに、クロロゾームを高効率なエネルギー変換デバイスとして実際に研究を行うことを目的として、半人工多糖/カーボンナノチューブ複合体をITO基板表面に吸着させ、その後交互積層法により薄膜化できる技術を確立した。この薄膜の表面にクロロゾームを静電相互作用を駆動力として担持させることができた。こうした研究成果は、材料・デバイス開発を指向したクロロゾームの性質改変の為の基本技術となることが期待される。また、本研究を通して、クロロゾームを安定にITO基板表面に固定化できることが明らかとなった。これにより、これまで未知であったクロロゾームの酸化還元電位等の電気化学的、光化学的性質が明らかとなる可能性がり、天然の光機能デバイスとしての応用研究の発展に繋がると期待される。 クロロゾームは非常に多くの色素が会合した状態が内部に存在し、この色素の会合体形成が、効率の良いエネルギー移動等に貢献している。本研究では、その会合体の機能を、実際に光電変換デバイスへと応用するにあたり、クロロゾームの担持と、光電気化学的性質を明らかにするための基盤技術を確立することができた。クロロゾームは生体組織であるため、変性等の問題点を有している。本研究を通して、生体膜に対して結合可能な半人工高分子を設計することで、クロロゾーム表面と相互作用しながら、クロロゾームを様々な条件下で安定に取り扱えることを示すことができた。
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