研究概要 |
粉末のままでフェムト秒過渡吸収を測定するフェムト秒拡散反射分光法の高感度化を行い,可視光応答光触媒のひとつである窒素ドープ酸化チタンにおける電子正孔対の電荷分離,トラップ初期過程の観測に成功した.紫外光により伝導帯に励起された電子は拡散律速で酸素欠陥へトラップされること,可視光により伝導帯に励起された電子は励起直後に深い酸素欠陥準位にトラップされることが明らかとなった.銅または鉄を担持した窒素ドープ酸化チタンでは,紫外光励起では担持金属への電子移動が起こるが,可視光励起では起こらないことも明らかとなった.これらの結果は,光触媒設計において重要な指針になり得ると期待される.
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