研究概要 |
原子・電子シミュレーションを用いて,多様な粒界構造や不純物元素に関して粒界偏析メカニズムを調査するとともに,粒界偏析の包括的な評価法の構築を行った.不純物の評価にはフェライト系ステンレスを対象として,マトリクス中に含まれる多様な不純物についてBragg-Williams近似に基づく偏析傾向を予測する手法を提案し,不純物の粒界偏析による自由エネルギー変化についても検討を行った.その結果,銅やマンガンは析出した状態が安定であるが,ニオブやタンタルは固溶状態が安定であるという結果を得た.偏析傾向が第一隣接間に広がるd-軌道間の相互作用に起因していることを定量的に示した.
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