研究概要 |
未利用有機物に高温L-乳酸発酵というアクセントを加えることで,飼料保存性(乳酸効果)と栄養分の易分解化(タンパク質の低分子化,アミノ酸吸収効率の増加を期待)を期待した.飼料保存性について,抗菌効果のある乳酸を濃度6%程度まで高めることで乳酸自体の保存を確認した.乳酸で阻害を受ける菌種のほか,乳酸を消費する菌種の繁殖を抑制する目安を示した.栄養分の易分解化について,タンパク質が豊富な農作物に対して高温L-乳酸生成菌を植菌し,タンパク質の低分子化など飼料利用に有利となる変化を確認した.生ごみを材料に高温L-乳酸発酵を実施し,発酵過程に出現する菌種を調べた.その結果,添加した乳酸生成菌の出現を確認したものの,その他の菌種由来DNAが発酵期間を通じて検出された.安全性の面から,検出された菌種の生死判定と有害性の有無について今後確認する必要がある.
|