研究概要 |
本研究では,ラスマルテンサイトの組織サイズに大きな影響を及ぼすと考えられる周囲母相の塑性変形とラスマルテンサイト組織の関係を調査した結果,ラスマルテンサイト生成の形状歪は多くが母相の塑性変形によって緩和されて,不均一な歪場がマルテンサイト周囲に導入され,蓄積された歪場がその後のラスの成長を抑制することが明らかとなった.更に,変態前加工によって母相中に導入された転位によって,ラスサイズは変わらないものの,特定のバリアントのラスが母相中の転位組織上に優先生成・成長する一方で,同一バリアントのラスが集団で生成する傾向が弱まる結果,機械的性質に影響を及ぼすと考えられるバリアントサイズが減少するということを見出した.
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