配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2010年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
2009年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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研究概要 |
機能性ナノ結晶バルク構造体の作製には、単分散性に優れたセラミックスナノ粒子の合成が大前提である。そこで、まず、無機錯体水溶液の水熱処理によるセラミックスナノ粒子の合成を試み、本手法により、Y_<0.15>Zr_<0.85>O_<1.93>(YSZ),ZrO_2,TiO_2,SnO_2,CeO_2,Nb2O_5等様々な単分散セラミックスナノ粒子の合成に成功した。また、材料の機能はその結晶構造や結晶面に強く依存するため、これらの精密な制御は高機能バルク結晶を作製する上で不可欠な技術であると考え、処理条件の制御によるナノ結晶の結晶構造や形状の制御を試みた。その結果、処理温度、処理時間および金属イオンや表面修飾剤の濃度の制御によりこれらが実現可能であることを見出し、例えば、N(CH_3)_4^+を用いた表面修飾の有無による単斜晶および正方晶ジルコニアナノ結晶の選択成長に世界で初めて成功した。また、酸化スズナノキューブおよび酸化チタンナノリボンの合成等、粒子の形状制御にも成功した。さらに、これら水中完全分散ZrO_2ナノ結晶の乾燥速度制御により、ファイバー状成形体の作製に成功した。さらに、この成形体は、ナノ結晶から構成されるため、500℃程度の極低温で焼結が可能であり、透明な多結晶ファイバーの作製が可能になった。 さらに、ナノ結晶の用途開拓を進め、ナノ結晶を用いた新規共沈法を開発し、これにより合成した(La_<0.85>Sr_<0.15>)_<0.98>MnO_3(LSM)/YSZおよびNiO/YSZ複合ナノ粒子を用いて、固体酸化物燃料電池電極のナノ構造化に成功し、本電極が既往の電極を凌駕する高い電気化学特性を有するだけでなく、優れた長期安定性を示すことを実証した。
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