研究概要 |
血管内治療に用いられるインプラント器具の生体適合性向上を目標に,血液適合性・内皮細胞適合性の双方に優れた新しい表面改質技術の研究に取り組み,薬剤含浸ポリマー表面に断片化したDLCを被覆した,新しい薬剤徐放コーティング技術を開発した. DLCおよび血液適合性に優れるフッ素添加DLCの内皮細胞適合性評価により,各表面が内皮細胞の増殖を阻害せず,良好な細胞の足場材料として機能する事を示した.また断片化したDLCのサイズを変更することで,薬剤徐放速度をコントロールできることを示した.更に,塩基性繊維芽細胞増殖因子(bFGF)が内皮細胞・平滑筋細胞に及ぼす影響を評価し, bFGFが内皮細胞の増殖に対し特異的に効果を及ぼすことを示唆した.これらの研究成果を組み合わせることで,留置後,早期の内皮化を実現する表面改質技術への可能性を示した.
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