配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2010年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2009年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
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研究概要 |
直線型ダイバータプラズマ模擬装置NAGDIS(Nagoya Divertor Simulator)において,ヘリウムプラズマ照射を実施した。典型的なパラメータは電子密度が10^<18>m^<-3>,電子温度が5eV程度である。入射イオンエネルギーが数十eV以上で,温度領域が1000-2000Kの時にヘリウム照射によりタングステン表面に繊維状のナノ構造ができることが明らかになった。照射温度,ヘリウムプラズマの入射エネルギー,照射量,材料表面方位などをパラメータとして系統的に照射実験を行い,1μmを越える長細いナノ突起がヘリウムバブルの自己成長過程により形成される様子を透過型顕微鏡による詳細観察より明らかになった。 更に,レーザーと積分球を用いた光吸収率計測により,633nmにおける光学的吸収率を計測した結果,照射後のサンプルの全反射率は1%程度であり,光学的吸収率が99%となっていることが分かった。波長の異なるレーザーを用いて,可視領域から近赤外領域における吸収率を計測した結果から,黒色化したWは太陽光スペクトルに対してほぼ完全な光吸収体となっていることが明らかになった。この材料は熱光起電力発電(光吸収体/エミッターからの輻射熱を化合物半導体系光起電力電池に導いて電力に変換する発電方式)用の太陽光吸収体として利用できる可能性があることを示した。
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