新規炎症メディエーターリゾホスファチジルセリンの炎症・免疫反応における機能解析

• 研究課題/領域番号: 21770102
• 研究種目: 若手研究(B)
• 配分区分: 補助金
• 研究分野: 構造生物化学
• 研究機関: 東北大学
• 研究代表者: 巻出 久美子 東北大学, 大学院・薬学研究科, 助教 (30519773)
• 研究期間 (年度): 2009 – 2011
• 研究課題ステータス: 完了 (2011年度)
• 配分額: 6,634千円 (直接経費: 5,103千円、間接経費: 1,531千円); 2011年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円); 2010年度: 2,084千円 (直接経費: 1,603千円、間接経費: 481千円); 2009年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
• キーワード: リゾリン脂質 / 炎症 / GPCR / 産生酵素 / 受容体 / 自己免疫疾患

研究概要

リゾリン脂質の一種であるリゾホスファチジルセリン(LysoPS)は、細胞レベルで様々な活性を有することが報告されていたが、LysoPSの生体内での存在、および産生・作用機構、さらにその個体レベルでの機能については不明な点が多く残されていた。本研究により、様々な炎症状態において生体内でLysoPSが産生されること、およびその産生には産生酵素PS-PLA1が関与していることを明らかにした。また、LysoPSがCon A誘発性肝炎モデルマウスの発症を抑制することを見出し、in vivoで炎症抑制効果を示すことがわかった。

研究成果

• [雑誌論文] GPR34 is a receptor for lysophosphatidylserine with a fatty acid at the sn-2 position (2012)
  • 著者名/発表者名: Kitamura H, Makide K, Shuto A, Ikubo M, Inoue A, Suzuki K, Sato Y, Nakamura S, Otani Y, Ohwada T, Aoki J.
  • 雑誌名: J Biochem 巻: 151(5) ページ: 511-8
  • NAID: 10031166091
  • 査読あり
• [雑誌論文] Surface loops of extracellular phospholipase A(1)determine both substrate specificity and preference for lysophospholipids (2012)
  • 著者名/発表者名: Arima N, Inoue A, Makide K, Nonaka T, Aoki J.
  • 雑誌名: J Lipid Res 巻: 53(3) ページ: 513-21
  • 査読あり
• [雑誌論文] GPR34 is a receptor for lysophosphatidylserine with a fatty acid at the sn-2 position (2012)
  • 著者名/発表者名: Kitamura H, Makide K, Shuto A, Ikubo M, Inoue A, Suzuki K, Sato Y, Nakamura S, Otani Y, Ohwada T, Aoki J
  • 雑誌名: J Biochem 巻: 151 号: 5 ページ: 511-518
  • DOI: 10.1093/jb/mvs011
  • NAID: 10031166091
  • 査読あり
• [雑誌論文] Surface loops of extracellular phospholipase A(1) determine both substrate specificity and preference for lysophospholipids (2012)
  • 著者名/発表者名: Arima N, Inoue A., et al
  • 雑誌名: J Lipid Res 巻: 53 号: 3 ページ: 513-521
  • DOI: 10.1194/jlr.m022400
  • 査読あり
• [雑誌論文] Expression of phosphatidylserine-specific phospholipase A(1)mRNA in human THP-1-derived macrophages (2010)
  • 著者名/発表者名: Hosono H, Homma M, Ogasawara Y, Makide K, Aoki J, Niwata H, Watanabe M, Inoue K, Ohkohchi N, Kohda Y.
  • 雑誌名: Cell Transplant 巻: 19(6) ページ: 759-64
  • 査読あり
• [雑誌論文] Expression of phosphatidylserine-specific phospholipase A(1) mRNA in human THP-1-derived macrophages (2010)
  • 著者名/発表者名: Hosono H, Homma M, Ogasawara Y, Makide K, Aoki J, Niwata H, Watanabe M, Inoue K, Ohkohchi N, Kohda Y
  • 雑誌名: Cell Transplant 巻: 19 ページ: 759-764
  • 査読あり
• [雑誌論文] Synthesis and evaluation of lysophosphatidylserine analogues as inducers of mast cell degranulation. Potent activities of lysophosphatidylthreonine and its 2-deoxy derivative (2009)
  • 著者名/発表者名: Iwashita M, Makide K, Nonomura T, Misumi Y, Otani Y, Ishida M, Taguchi R, Tsujimoto M, Aoki J, Arai H, Ohwada T.
  • 雑誌名: J Med Chem 巻: 52(19) ページ: 5837-63
  • 査読あり
• [雑誌論文] Emerging lysophospholipid mediators, lysophosphatidylserine, lysophosphatidylthreonine, lysophosphatidylethanolamine and lysophosphatidylglycerol (2009)
  • 著者名/発表者名: Makide K, Kitamura H, Sato Y, Okutani M, Aoki J.
  • 雑誌名: Prostaglandins Other Lipid Mediat 巻: 89(3-4) ページ: 35-9
  • 査読あり
• [雑誌論文] Lysophospholipid mediators (2009)
  • 著者名/発表者名: Makide K, Kano K, Kitamura H, Arima N, Aoki J.
  • 雑誌名: Tanpakushitsu Kakusan Koso 巻: 54(1) ページ: 29-39
  • NAID: 40016392334
• [雑誌論文] Synthesis and evaluation of lysophosphatidylserine analogues as inducers of mast cell degranulation. Potent activities of lysophos phatidylthreonine and its 2-deoxy derivative. (2009)
  • 著者名/発表者名: Iwashita M, Makide K, Nonomura T, Misumi Y, Otani Y, Ishida M, Taguchi R, Tsujimoto M, Aoki J, Arai H, Ohwada T.
  • 雑誌名: J Med Chem. 52 ページ: 5837-5863
  • 査読あり
• [学会発表] リゾホスファチジルセリンは自己免疫性肝炎を緩和させる (2012)
  • 著者名/発表者名: 鈴木健介、北村一、奥谷倫世、首藤啓明、巻出久美子、井上飛鳥、青木淳賢
  • 学会等名: 日本薬学会第132年会
  • 発表場所: 北海道大学
  • 年月日: 2012-03-30
• [学会発表] 生体内におけるリゾホスファチジルセリンの検出 (2012)
  • 著者名/発表者名: 奥谷倫世、井上飛鳥、巻出久美子、三枝大輔、富岡佳久、青木淳賢
  • 学会等名: 日本薬学会第132年会
  • 発表場所: 北海道大学
  • 年月日: 2012-03-30
• [学会発表] 生体内におけるリゾホスファチジルセリンの検出 (2012)
  • 著者名/発表者名: 奥谷倫世
  • 学会等名: 日本薬学会第132年会
  • 発表場所: 札幌
  • 年月日: 2012-03-30
• [学会発表] リゾホスファチジルセリンは自己免疫性肝炎を緩解する (2012)
  • 著者名/発表者名: 鈴木健介, 他
  • 学会等名: 日本薬学会第132年会
  • 発表場所: 札幌
  • 年月日: 2012-03-30
• [学会発表] リゾホスファチジルセリンによる免疫抑制作用 (2012)
  • 著者名/発表者名: 巻出久美子、北村一、井上飛鳥、青木淳賢
  • 学会等名: 新学術領域若手ワークショップ
  • 発表場所: 東京大学
  • 年月日: 2012-02-01
• [学会発表] 新規LysoPS受容体の同定 (2012)
  • 著者名/発表者名: 奥谷倫世、井上飛鳥、巻出久美子、三枝大輔、富岡佳久、青木淳賢
  • 学会等名: 新学術領域若手ワークショップ
  • 発表場所: 東京大学
  • 年月日: 2012-02-01
• [学会発表] リゾホスファチジルセリンによる免疫抑制作用 (2012)
  • 著者名/発表者名: 巻出久美子, 他
  • 学会等名: 新学術領域若手ワークショップ
  • 発表場所: 東京
  • 年月日: 2012-02-01
• [学会発表] 新規LysoPS受容体の同定 (2012)
  • 著者名/発表者名: 奥谷倫世, 他
  • 学会等名: 新学術領域若手ワークショップ
  • 発表場所: 東京
  • 年月日: 2012-02-01
• [学会発表] Effects of lysophosphatidylserine on lymphocytes (2011)
  • 著者名/発表者名: Kumiko Makide, Hajime Kitamura, Junken Aoki
  • 学会等名: 第40回日本免疫学会学術集会
  • 発表場所: 幕張メッセ
  • 年月日: 2011-11-28
• [学会発表] Immunosuppressive roles of lysophosphatidylserine in mice (2011)
  • 著者名/発表者名: Kumiko Makide, 他
  • 学会等名: 第40回日本免疫学会学術集会
  • 発表場所: 千葉
  • 年月日: 2011-11-27
• [学会発表] Effects of lysophophatidylserine on lymphocytes (2011)
  • 著者名/発表者名: Hajime Kitamura, 他
  • 学会等名: 第40回日本免疫学会学術集会
  • 発表場所: 千葉
  • 年月日: 2011-11-27
• [学会発表] 2-アシル型リゾリン脂質の検出とその受容体活性化機構の解析 (2011)
  • 著者名/発表者名: 首藤啓明、井上飛鳥、奥谷倫世、巻出久美子、青木淳賢
  • 学会等名: 次世代を担う若手ファーマ・バイオフォーラム2011
  • 発表場所: 東北大学さくらホール
  • 年月日: 2011-10-08
• [学会発表] 2-アシル型リゾリン脂質の検出とその受容体活性化機構の解析 (2011)
  • 著者名/発表者名: 首藤啓明, 他
  • 学会等名: ファーマ・バイオフォーラム2011
  • 発表場所: 仙台
  • 年月日: 2011-10-08
• [学会発表] リゾホスファチジルセリンの細胞接着抑制作用 (2011)
  • 著者名/発表者名: 北村一、奥谷倫世、首藤啓明、井上飛鳥、巻出久美子、大和田智彦、青木淳賢
  • 学会等名: 第84回日本生化学大会
  • 発表場所: 国立京都国際会館
  • 年月日: 2011-09-23
• [学会発表] リゾホスファチジルセリンの免疫抑制作用 (2011)
  • 著者名/発表者名: 奥谷倫世、北村一、巻出久美子、井上飛鳥、椛島健治、青木淳賢
  • 学会等名: 第84回日本生化学大会
  • 発表場所: 国立京都国際会館
  • 年月日: 2011-09-23
• [学会発表] 2-アシル型リゾリン脂質の検出とその受容体活性化機構の解析 (2011)
  • 著者名/発表者名: 首藤啓明、井上飛鳥、奥谷倫世、巻出久美子、青木淳賢
  • 学会等名: 第84回日本生化学会大会
  • 発表場所: 国立京都国際会館
  • 年月日: 2011-09-23
• [学会発表] リゾホスファチジルセリンの細胞接着抑制作用 (2011)
  • 著者名/発表者名: 北村一, 他
  • 学会等名: 第84回日本生化学会大会
  • 発表場所: 京都
  • 年月日: 2011-09-21
• [学会発表] リゾホスファチジルセリンの免疫抑制作用 (2011)
  • 著者名/発表者名: 奥谷倫世, 他
  • 学会等名: 第84回日本生化学会大会
  • 発表場所: 京都
  • 年月日: 2011-09-21
• [学会発表] 2-アシル型リゾリン脂質の検出とその受容体活性化機構の解析 (2011)
  • 著者名/発表者名: 首藤啓明, 他
  • 学会等名: 第84回日本生化学会大会
  • 発表場所: 京都
  • 年月日: 2011-09-21
• [学会発表] Role of lysophosphatidylserine in inflammation-associated mast cell degranulation (2011)
  • 著者名/発表者名: Kumiko Makide, Michiyo Okutani, Asuka Inoue, Junken Aoki
  • 学会等名: 第33回内藤コンファレンス
  • 発表場所: シャトレーゼガトーキングダムサッポロ
  • 年月日: 2011-06-29
• [学会発表] Role of lysophosphatidylserine in inflammation-associated mast cell degranulation (2011)
  • 著者名/発表者名: Kumiko Makide, 他
  • 学会等名: 第30回内藤コンファレンス
  • 発表場所: 札幌
  • 年月日: 2011-06-28
• [学会発表] ホスホリパーゼA1(PLA1)により産生される2-アシル型リゾリン脂質の分離とその性状解析 (2011)
  • 著者名/発表者名: 首藤啓明、井上飛鳥、奥谷倫世、北村一、有馬直明、巻出久美子、青木淳賢
  • 学会等名: 第53回日本脂質生化学会
  • 発表場所: ホテル東京ガーデンパレス
  • 年月日: 2011-05-12
• [学会発表] ホスホリパーゼA1(PLA1)により産生される2-アシル型リゾリン脂質の分離とその性状解析 (2011)
  • 著者名/発表者名: 首藤啓明, 他
  • 学会等名: 第53回日本脂質生化学会
  • 発表場所: 東京
  • 年月日: 2011-05-12
• [学会発表] 炎症反応のマスト細胞活性化におけるリゾホスファチジルセリンの役割 (2010)
  • 著者名/発表者名: 巻出久美子、奥谷倫世、井上飛鳥、青木淳賢
  • 学会等名: 第33回日本分子生物学会年会・第83回日本生化学会大会合同大会
  • 発表場所: 神戸ポートアイランド
  • 年月日: 2010-12-08
• [学会発表] LC-ESI-MS/MSを用いたリゾホスファチジルセリンおよびリゾホスファチジルスレオニンの検出 (2010)
  • 著者名/発表者名: 奥谷倫世、井上飛鳥、巻出久美子、三枝大輔、富岡佳久、青木淳賢
  • 学会等名: 第33回日本分子生物学会年会・第83回日本生化学会大会合同大会
  • 発表場所: 神戸ポートアイランド
  • 年月日: 2010-12-08
• [学会発表] リゾホスファチジルセリンの活性化リンパ球に対する効果 (2010)
  • 著者名/発表者名: 北村一、巻出久美子、井上飛鳥、青木淳賢
  • 学会等名: 第33回日本分子生物学会年会・第83回日本生化学会大会合同大会
  • 発表場所: 神戸ポートアイランド
  • 年月日: 2010-12-08
• [学会発表] LC-ESI-MS/MSを用いたリゾホスファチジルセリンの検出 (2010)
  • 著者名/発表者名: 奥谷倫世、井上飛鳥、巻出久美子、三枝大輔、富岡佳久、青木淳賢
  • 学会等名: 第49回日本薬学会東北支部大会
  • 発表場所: 奥羽大学
  • 年月日: 2010-10-24
• [学会発表] ホスファチジルセリン特異的ホスホリパーゼA1の病理的機能の解明 (2010)
  • 著者名/発表者名: 佐藤佑介、巻出久美子、青木淳賢
  • 学会等名: 第49回日本薬学会東北支部大会
  • 発表場所: 奥羽大学
  • 年月日: 2010-10-24
• [学会発表] LPS受容体P2Y10の同定と細胞接着における機能 (2010)
  • 著者名/発表者名: 北村一、巻出久美子、井上飛鳥、青木淳賢
  • 学会等名: 第9回次世代を担う若手ファーマ・バイオフォーラム2010
  • 発表場所: 京都大学大学院薬学研究科
  • 年月日: 2010-10-02
• [産業財産権] 自己免疫疾患治療薬のスクリーニング方法 (2011)
  • 発明者名: 青木淳賢、巻出久美子、井上飛鳥、大和田智彦
  • 権利者名: 東北大学、東京大学
  • 産業財産権番号: 2011-112881
  • 出願年月日: 2011-05-19